社長ブログ

第3回 「墓石の色と地域性」

    コラムをお読みのあなたに質問です。
     『お墓の石といわれたら、何色を思い浮かべますか?』
     大袈裟かも知れませんが、その答えた色で出身地や育った地方が分かるかも知れません。

     今でこそ、ピンク系や赤系、茶系といった色の墓石もでるようになりましたが(この提案を積極的に進めたのは当社でもありますが)、もともと従来からのイメージでは「白」「グレー(灰色)」「黒」等が一般的でしょう。
     これは、自分の実家や親戚のお墓の色や、その地域で一般に建てられている墓石の色を思い浮かべるからです。

     実は、日本人の6 7割くらいの人は「白」をイメージします。白といっても純白ではなく、ゴマ塩模様の石の色です。また東北地方の人は、ほとんどが「黒」のイメージです。関東でも昔からのいわゆる江戸っ子は「うす緑がかったグレー色」を墓石の色と感じています。また一部、九州の北部の人も「灰色」を墓石の色合いとしてとらえます。
     なぜ、地域によってイメージが変わるのでしょうか?

     理由は、人間の心の奥底にある親しい人への供養の想いがもたらした、長い間の慣習のせいです。家族や親しい人が亡くなって、その思いを石に託したのは、何も今に始まった事ではありません。
     太古の昔から人々は埋葬し、そのシンボルとして石を使ってきました。当然、昔は石の加工は大変ですから、その辺にある手頃な石を持って来て供えました。近くにある石、近くから採れる石がその地域の人々にとってのお墓の石だった訳です。
     つまり、墓石の色の地域性は、その地域から採れる石の色による事で、別に性格や宗教によるものではありません。

     花崗岩(みかげ石という)は、鉱物の含有成分から白色や薄い桜色のものが多く、世界中で一番多く産出されます。当然、日本の国土でも多くの白みかげ石の産地があります。
     ところが東北地方には、世界的にも珍しい黒系の石が産出されます。宮城県の稲井石(粘板岩)、泥冠石(安山岩)、福島県の鍋黒石や浮金石(黒みかげ石)等、黒色系が多く採れます。
     関東地方では、神奈川県の小松石(安山岩)が歴史も古く、江戸城の石垣にも使われていますが、「うすいねずみ色」です。山梨県の山崎石(安山岩)もやはりグレーで、地元では人気の色合いです。
     つまり、大昔から使われてきた地元の石の色が地域の墓石の色として定着していきました。
     ですから、一部の占師が「墓相」と称して、墓石の色を指定し「黒い墓は……で、白い墓は……」と言っているのは、上記の流れを全く無視していて何やら不信を感じます。

     現在では、採掘場の環境問題や産廃の問題、人件費コストの理由などにより、地元産の石は採れなくなった代わりに、流通が整い、世界中からより品質の良い多種多様な石材が輸入されるようになり、今ではあらゆる色合いの石でお墓を作ることが可能となっています。
     地域や条件に関係なく、自分の感性に合った色とデザインでお墓を作れる、良い時代になったと思います。

    第3回 「墓石の色と地域性」

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