引き続きアメリカの石材視察の事を書きたいと思います。
現在アメリカの住宅関係は、かつての日本のバブル期のように土地・建物の価格が上昇し、不動産の売買がとても盛んです。
新築物件のみならず、中古住宅や中古マンションも活況が著しく、それを購入して自分で気に入るように改装するリフォームが大流行しています。
アメリカのリフォームでは特に水周りと云われる、キッチンや風呂や洗面所などに何らかの手を加えるのがほとんどのようです。
キッチンカウンターの配列を変えたり使いやすい高さにしたり、レンジの種類や使用する器具も、自分達が気に入った自分達のライフスタイルに合った、オリジナルなデザインを好むようです。
実はこの時に重要な役割をなすのが石(大理石)です。
キッチンカウンターやダイニングテーブル、洗面所の飾りの壁や床、それから浴室内部の壁面や洗い場の床に大理石を施したり、時には浴槽そのものも石で作ったりもします。(いわゆる大理石風呂ですね)
アメリカの同業社、特に建築石材関連の石屋はこのリフォーム需要に引っ張られて大いに忙しく業績も向上しています。
聞くところではアメリカのリフォーム需要の総金額の20% 25%を石が占めるのではとさえ言われます。
そこでわれわれ日本の建築石材業界との違いを見ると、日本にもそれなりにリフォーム需要はあり、水周りの改装が同じように有っても、浴室はほとんどがユニットバスで規格化されており、キッチンカウンターも既製品から選ぶ出来合い仕様が多く、オリジナルに大理石を使うと云う習慣が無いので、日本国内のリフォームの石材使用に関してはアメリカの百分の一ほどのマーケットも存在しないと思われます。
更に日本では、家は一生の買い物であり、一度購入したら余程でない限り転売したり引っ越したりしないものですが、アメリカの住宅事情は全く違います。結婚して二人だけの時は小さな中古の家を買い、子供が出来て成長過程に入ると庭付きの大きめの家に買い換え、その子供が独立すると今度はその家を売り老後の資金と小さなマンションに住み替える、というライフサイクルが一般的で、一生に三回もリフォームしその度に使用する石材のグレードもどんどん上がっていくのが通常のようです。
実は日本にもたくさんの高級な大理石が世界中から輸入されてはいますが、アメリカの中堅の石材会社を訪問したときに見た大理石は、世界中の厳選された産地から集めた最高級の品質で、我々プロでもめったに見られない素晴らしい物が広い倉庫いっぱいに置いてあって、アメリカ国内の需要の多さと予算の高額さにただ驚いた思いが有ります。
日本と欧米では木の文化と石の文化の違いが有るとはよく言われますが、ヨーロッパやアメリカの家庭での大理石の使い方はとてもセンスが良くて本当に上手です。
われわれ日本の石材関係者がもっと日本の家庭での石材使用を、キッチンへ、浴室へ、窓台へ、玄関へ、ポーチへと石を使ってもらえるように提案やピーアール活動をしていかなければならないなと、帰りの飛行機内では強く感じて来たものでした。
P・S (お詫び)
社長コラムの第4回 第6回までの3回分が抜けているとのご連絡が多数寄せられています。
実は 「ディズニーシー・ホテルミラコスタの大理石工事 その1 その3」 というコラム3回分を作成し数週間公開していましたが、オリエンタルランドさん側からご指摘があり、製作の裏話を載せるのは好ましくないとの判断から自主的にこの3回分のみ公開をストップしました。
この分、書き替えはせずに欠番とさせていただきますので、ご了承とご理解をお願い致します。


