社長ブログ

第236回 「著名人のお墓」

    一般の方に暇な時に墓地を散策する趣味?があるよと言ったらきっと変な人と思われるでしょうね。
    別に石屋だから仕事半分興味半分で行ってるのは間違いないのですが、もう少し別な楽しみ?があるからこそ墓地巡りは意外に楽しいのではないかと思います。

    それは、歴史の中に入っていける。
    教科書でしか知らなかった人物の実在したという実感に触れられる。
    まるでタイムマシンでその人物の生きた時代(実際にはお墓なので亡くなってから入っているのだが)にトリップしているような気分になれる、まさに歴史好きにはたまらない楽しみなのではと思います。
    墓マイラー(お墓参りの人)という業界用語もありますが、私も墓マイラーと自認しています。

    さて、歴史上無名の故人にもその方の一生の記録があるのですが、著名人にはその歴史的役割とその生涯を後世という神の視座から眺められる我われにとっては、有名人の眠る霊園程奥深く楽しいものとなります。東京では前回紹介した青山墓地の他に池袋の雑司ヶ谷霊園、日暮里の谷中霊園、巣鴨の染井霊園など都営の各霊園で散歩がてら霊園内を回ってみるのも良いかと思います。

    今回は雑司ヶ谷霊園の中のお墓について話しましょう。
    ここで最も有名なのは夏目漱石のお墓でしょう。

    実に大きな本体でまるで位牌のようにも見え、或いは巨大な表札のようにも見え、当時としては奇抜なデザインだっと思います。これは知人の建築家が漱石が愛用した椅子の形を模して作ったもののようで、石材は茨城県産の稲田石を使用しています。とにかく大きくてどこからでも目につきますが、その正面にも戒名で「文献院古道漱石居士」と彫られ漱石の文字がそのまま見えるので誰でも見つけやすいお墓です。
    正面の左には奥さんの夏目鏡子の戒名が同じ文字数で並んでいます。

    実は漱石は自分の作品にこの雑司ヶ谷墓地の事を詳しく書いてあります。
    夏目漱石三部作の最大傑作と言われる「こころ」に先生と私との会話で2ページに亘るくらいの詳細な話が載っています。(学生時代に習った夏目漱石前期三部作=三四郎・それから・門、後期三部作=彼岸過迄、行人、こころでしたね。思い出しました。)

    まさか自分が「こころ」でお墓の文字や形について先生と話した事を書いたその後、執筆していた「明暗」が絶筆となり、その本人がこの雑司ヶ谷墓地に埋葬されるとは思っていなかったのかもしれません。
    とにかく日本の近代文学の巨星にふさわしい巨大なお墓です。

    次は竹久夢二のお墓です。
    こちらは本当に小さくて見過ごしてしまいそうなお墓です。
    写真は「竹久夢二を埋む」とあり、その後ろに竹久家累代の墓というのがあるので、夢二の分だけ同じ敷地の中で記念碑的に建てたものと思われます。
    竹久夢二についてはあの女性人物図や詩集の雰囲気から純真無垢な作家のイメージがあったのですが、大人になってからいろいろ見聞きするとなかなか一筋縄ではいかない、後世からも好き嫌いの激しい作家なのだという事を最近知りました。
    このお墓の形状は表面だけ平らにした自然石風の形状で、石の材質も(ひょっとしたら安山岩の伊達冠石みたいなもの?)と思ったりしましたが、正面の磨き上げた石面を観るとおそらく濃い手の花崗岩のように見えました。

    こちらも竹久夢二の人物の評価と同じく、安山岩なのか花崗岩なのか玄武岩なのかよく分からない評価の難しい石を使って、夢二のお墓にはぴったりかもしれません。
    最後のお墓は下台に中濱氏とあります。正面の棹石には中濱萬次郎之墓とあります。
    さて歴史上知っている人で誰のお墓でしょうか?

    今回は説明入れずに読者の皆さんへの問題として、これで終わりにします。
    ちょっとヒントは高知県の人です。

    今回はここまでです。

    第236回 「著名人のお墓」

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