大理石というと白やピンク、グレー、赤などとてもカラフルで磨けばピカピカ、艶々としていて綺麗なものです。
では石灰岩(石灰石)はどうでしょうか?一般的な石灰岩はベージュ色で研磨してもそれほどピカピカになりません。なぜこの2つを最初に話題にしたかというと、実はオリジナル(原材料)が全く同じものだからです。
原料はサンゴです。
正確には珊瑚の死骸が積み重なって石として固まったものです。石灰岩はそのまま(海中に)沈殿して圧縮されて石になったもので、大理石はその石灰岩が(地中深くマグマに影響され)地球規模の高温・高圧がかかり含有された鉱物や素材により色や模様が千差万別になって再度地上に戻ってきたものです。それがイタリア半島や地中海沿岸の珊瑚礁の多い地域に大理石産地が集まっている理由でもあります。
勿論、同じように高温高圧に晒されなかった石灰岩も地中海周辺で多く産出しています。
イタリアのローマ近郊で採れるトラバーチン(ベージュ色で虫食いのような穴が全面にある石灰岩)やポルトガルで採れるモカクリーム、スペインのカプリライムストーン、ドイツのジュライエローなど多くの石灰岩が市場に出ています。ちなみに最近の話でローマ教皇を選ぶコンクラーベの会場、バチカン宮殿の外壁、床、回廊の柱全てがトラバーチンと言われる石灰岩で出来ています。
大理石と比べると圧力や高熱がかかっていない分硬くないので、大理石よりも加工がしやすいのが特徴です。
デメリットとしては前述のように磨いてもツルツル、艶々(ツヤツヤ)になりません。
さて、話は飛んで沖縄の事です。
沖縄の周辺、そしてその列島の島々の海は地中海やアドリア海に負けず、オーシャンブルーの海面いっぱいに珊瑚礁が広がり石灰岩の材料には事欠かさないです。現に宮古島などは島自体が珊瑚礁の上、石灰岩の上に存在しているようなものです。島の中のどこを掘っても(言い過ぎかな?)石灰岩の塊が土と一緒に出てきます。沖縄(特に宮古島)では地産地消宜しくその石灰岩で擁壁を積み、花壇を作り、街の景観が石灰岩で統一されています。
大きい塊の石灰岩だけでなく、小さな欠片も無駄にせず家の壁や玄関、門柱などに活用している風景はある意味で石と人類の関わりの原点とも言えるものなのでしょう。
私たち石屋さんはこの石を「琉球石灰岩」と称して扱っていますが、沖縄の中で使われる物がほとんどで、なかなか本土では見かけない石でもあります。


