社長ブログ

第212回 「狼煙」

    「狼煙」という漢字の読み方はご存知だと思います。

    「のろし」は今は環境的にも使われなくなりましたが、モノを焼いて煙や炎を上げてそれを離れたところから確認することで、危険や情報の伝達に使っていました。

     なぜその「のろし」にオオカミの漢字が使われるか、調べてみると面白いことがわかりました。

     中国の万里の長城は秦の始皇帝からその建造が始まりましたが、北方の騎馬民族の襲来を防ぐ目的だったことは有名です。

     その万里の長城にはある一定の距離ごとに狼煙台として使われた遺構が残っており、つまり万里の長城のどこかで騎馬民族の襲来を受けると、そこから順々に狼煙を上げて危険を知らせたと考えられます。

     その狼煙に使われたのが「狼糞煙直上、烽火用之」(オオカミのフンの煙を直上させて、烽火に之を用いた)と記載があるそうです。

     「のろし」には他の漢字で「烽火」「狼火」「狼燧」などを当てることもありますが、上記の文章から「狼煙」が一般的になったものかと思います。

     今回はその狼煙の一般名詞ではなく、地名としての「狼煙」についてです。

     その場所は能登半島の先端、いわゆる奥能登の石川県珠洲市狼煙町です。

     なかなか距離もあり簡単に行ける場所でもないのですが、少し足を延ばしてその先端をぐるっと回ってみました。

     そこで見えたのが「道の駅 狼煙」 
    何ともインパクトのある名称でしょうか?

     そこは普通に半島を回る周遊道路に面した施設で特に変わったところはなく、名物の豆腐やおからドーナッツ、豆乳ソフトクリームなど美味しいものが並んでいました。

     なぜ「狼煙」という疑問はすぐに解決、近くに灯台があり狼煙の灯台という通称や地区名自体が狼煙だからです。

     早速その道の駅から徒歩10分程の岬の先端、能登半島の最西端にある正式名称「禄剛崎灯台(ろっこうさきとうだい)」がありました。

     古くは日本海を航行する北前船に能登半島の先端がここにあるという目印として狼煙を上げていたことからの命名だろうと思います。

     今はGPSやレーダーが発達して沖を行く船にとって狼煙や灯台は必要なくなり、この禄剛崎灯台は無人となり使われることはなくなったそうですが、「日本の灯台50選」や「恋する灯台」にもえらばれ、海から昇る朝日と海へと沈む夕陽が同じ場所から見えると観光のスポットになっているようです。

     個人的には最近改めて読み直した司馬遼太郎の「菜の花の沖」(江戸時代の北前船の船長である高田屋嘉平が、ロシアとの外交問題で日本の幕府との間に立って戦争の危機を回避した一般人として描いている)の中に何度も出てくる能登沖の航海の難しさや難破の危機、それを回避するための岬の重要性や明かりのことを思い起こし、その高田嘉平が乗った船もこの岬の狼煙を見て航海していたのかと、時を離れて同じものを見たような気になっていました。

     また、この灯台の周りにはたくさんの石碑があって、歴史をつなぎ、また新たにここが日本の中心円の始点であるとの見解を記した碑もあり、周りの石の碑を見ているだけでも時間が過ぎていきました。

    第212回 「狼煙」

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