今回ホームページをリニューアルしたら、「社長コラム・石のことば」を定期的に掲載するよう業務命令がありました。(誰から?)
思いつくまま、今までの石との思い出を書いていこうと考えていますので、気軽にお読み下さい。
仕事柄か、出張に行っても外出しても、ついつい石があると石に触れたり立ち止まったりしてしまいます。現在我々が扱っている石の平均的な大きさと言うと、ビルの内外壁に貼ってある建築用石材でも、一枚の大きさは、90cm×60cm×3cm位、40 50kgまでの重量が多く、人力でも何とか持ち上げることが出来ます。また、墓石用の場合はもう少し重く、30cm×30cm×80cm、約200kgから、90cm×90cm×30cm、約600kg位までの各パーツを機械を使って組み立てて、総重量3 4トンというのが平均的です。
つまり、我々が目にする石は、工場で加工され易く作業しやすい大きさになっているのが普通と言えます。
ところが、大阪城で石垣を見て、とてもビックリした思い出があります。
ひとつの石の大きさが5.5m(550cm)×11.7m(1,170cm)×0.9m(90cm)あり、重量は何と!!130トンもあります。
石というよりは岩そのものですが、表面はきちんと平らに加工されていて、ちゃんと手が加えられています。大阪城桜門にある通称蛸石と呼ばれる石で、ご覧になった方も多いと思います。この石の産出地は岡山県の犬島という、瀬戸内海の小さな島です。
今の技術でも、今あるどんな機械を使っても、こんなに大きな石は採掘も運搬も加工も出来ません。一体全体どうやって掘り出し、運び、組み上げたのか、あまり資料も残っていません。
今から400年前の人々にそれを聞くことは出来ませんが、それに関係した人々の想いや、当時の苦労は石が語りかけて来ているように感じます。各地の大名が競い、それぞれの石職人のプライドをかけて、日本中から石が集められた。まるで石のチャンピオンを目指すかの如くに…。
大阪城にある巨大石は蛸石を含め100トン以上が4ヶ、50トン 100トンまでが6ヶあり、一覧表にして城内に表示されています。(写真参照)
当時の人々のすさまじいエネルギーが感じられるよう、静かに蛸石に手を触れてみようと思いました。
